神さまを拝むときに拍手(かしわで)をうつのはなぜですか

 神さまを拝むとき、両方の手のひらを打ち合わせて鳴らすことを「かしわで」といいます。漢字で拍手、柏手と書きますが、これは拍(はく)の字が「柏(かしわ)」の字と混同されて用いられたことから生じた呼称ともいわれています。拍手については、中国の史書「魏志倭人伝」に倭人の風習として、貴人に対し手を打ってひざまづいて拝礼をしていたことが記されていることから、当時は人にも拍手をしていたことがわかります。 神道における拍手も同様に、敬う気持ちの表れといってもよいでしよう。
 拍手と拝(神前での敬礼作法の一つ。最も敬意を表わす作法で、腰を90度に折った姿勢をいう)の形式は、神社によっても異なります。手の打ち方には、二拝二拍手一拝のときに打つ「短拍手(みじかて)」、八つ打ってさらにその終わりに短拍手を一つ打つ「八開手(やひらて)」、直会(なおらい)で盃を受けるときに一つ打つ「礼手(らいしゅ)」、神葬祭(しんそうさい)のときに音をたてずに打つ「忍手(しのびて)」などがあります。拝には、座って行う「坐拝(ざはい)」、立ったまま行う「立拝(りっぱい)」、そして、座った位置と立った位置にて行う「起拝(きはい)」などがあります。伊勢神宮では、起拝を四度繰り返す「八度拝(はちどはい)」・「八開手」と呼ばれる拝礼作法を、出雲大社では、「四拍手(しはくしゅ)」という拝礼作法を行っています。 いずれも、古来からの伝統的拝礼作法です。